ドライブレコーダーは、付けた日から気にしなくなる道具です。それだけに、いざ事故に遭って映像を見たら記録されていなかった、という相談が整備工場には毎年あります。原因のほとんどは寿命です。
ドライブレコーダーの寿命は本体が2〜5年、中のmicroSDカードが1〜2年、内蔵の電池が2〜4年で、先に切れるのはSDカードです。自動車電装の整備工場、データ復旧会社、カー用品の解説をもとに、部品ごとの寿命、壊れる原因、寿命が近いときの症状、長持ちさせる手入れ、買い替えの判断を、初めての人向けに書きます。
ドライブレコーダーの寿命は、部品ごとに違う
「ドラレコの寿命は何年か」に一言で答えると、本体は2〜5年です。ただし本体より先に、記録するmicroSDカードと、駐車監視や時計を動かす内蔵の電池が弱ります。整備工場に持ち込まれる不具合の大半はSDカードが原因で、本体は生きているのに録画されていないケースが多く、まずSDカードを疑うのが順番です。
| 部品 | 寿命の目安 | 先に出る症状 | 対処 |
|---|---|---|---|
| microSDカード | 1〜2年(毎日乗るなら1年) | エラー表示、録画の抜け、映像が途中で止まる | 1年ごとに高耐久カードへ交換 |
| 内蔵電池(リチウム) | 2〜4年 | 日時が毎回リセット、駐車監視が短い | 本体の買い替え(交換不可が多い) |
| スーパーキャパシタ | 本体と同じ3〜5年 | エンジン停止直後の録画が保存されない | 本体の買い替え |
| 本体(基板・カメラ) | 2〜5年 | 電源が入らない、再起動を繰り返す、画面のにじみ | 保証内なら修理、外なら買い替え |
保証期間は、国内メーカー(コムテック、ユピテル、セルスターなど)が3年、海外メーカーは1〜1.5年が多いです。保証の長さは、メーカーが見込む寿命の目安でもあります。
寿命が短くなる原因は「熱」と「書き込み回数」
ドライブレコーダーが早く壊れる原因は、2つに絞れます。
原因1 夏の車内の熱。70℃を超える日がある
本体の動作温度は多くの機種で−10〜60℃ですが、真夏の車内は70℃を超えることがあります。フロントガラスの内側に付いた本体は日差しを直接受け、電池やキャパシタ、SDカードの接点が熱で劣化し、これを毎年繰り返した車ほど3年を待たずに不具合が出ます。屋外駐車で夏を越すたびに、寿命は確実に縮みます。
原因2 SDカードの書き込み回数。常時録画は毎日上書き
ドライブレコーダーは走っている間ずっと上書きで録画するので、SDカードの書き込み回数は普通のカメラの何十倍になります。一般的な高耐久カードでも書き換え回数は約3,000回が目安で、毎日1時間乗る人なら1〜2年で上限に近づきます。普通のmicroSDカードを入れていると、半年でエラーが出ることもあります。
原因3 駐車監視。止まっている間も部品が働いている
駐車監視の機能を使うと、エンジンを切った後も本体とSDカードが動き続けます。録画時間が伸びるぶん、電池・キャパシタ・SDカードの消耗が早まり、夏はこれに熱が重なります。毎日使うなら、駐車監視に対応した国内メーカーの機種と高耐久カードの組み合わせが前提です。
寿命が近いときの症状。この5つが出たら点検
- 起動時に「SDカードエラー」「フォーマットしてください」と出る。まずSDカードを交換
- 再生すると映像が飛ぶ、数秒で止まる、日付順に並ばない。SDカードの劣化
- エンジンをかけるたびに日時が初期値に戻る。内蔵電池の寿命
- エンジンを切った直後の映像が残っていない。キャパシタか電池の劣化
- 電源が入らない、勝手に再起動する、画面に線やにじみが出る。本体の寿命
整備士が勧める点検は、月に1回、実際に録画した映像を本体かスマホで再生してみることです。録画ランプが点いていても、カードが壊れていれば中身は空です。1分の映像が最後まで再生できるかを月1回見るだけで、事故の日に「記録が無い」を避けられます。
長持ちさせる手入れ。整備士が勧める4つ
- SDカードは月に1回、本体のメニューからフォーマットする。上書きで傷んだ領域を整え、エラーを減らす
- SDカードは1年に1回、ドラレコ用の高耐久(MLC・pSLC)カードに替える。1,000〜3,000円で本体の寿命が伸びる
- 夏は駐車中にサンシェードで本体を日差しから隠す。本体の温度が20℃近く下がる
- 本体のレンズと放熱の穴を、月1回乾いた布で拭く。ほこりで熱がこもる
高耐久カードの見分け方は、パッケージの「高耐久」「ドライブレコーダー対応」「MLC」「pSLC」の表記と、メーカーが示す録画時間の目安です。同じ容量でも普通のカードより2〜3倍の書き換えに耐え、国内メーカーのドラレコに付属するカードはこの型です。容量は32〜128GBで足り、大きいほど上書きの周期が延びてカードの負担が減ります。
フォーマットは本体側のメニューから行います。パソコンでフォーマットすると形式が合わず、認識しないことがあります。
買い替えの判断。3年を過ぎたら症状が出る前に
本体は、症状が出てから替えると、その間の走行が無記録になります。整備士の目安は、3年を過ぎて保証が切れたら、症状が無くても次の車検までに買い替えを考えること、そして電池の寿命による日時のリセットが出たら即交換です。日時がずれた映像は、事故の証拠として弱くなります。
| 状態 | 判断 |
|---|---|
| SDカードのエラーだけ。本体は3年未満 | カード交換で続行 |
| 日時がリセットされる | 本体を買い替え |
| 3年を過ぎて保証切れ。症状なし | 次の車検までに買い替えを検討 |
| 5年以上使っている | 画質と夜間性能も古いので買い替え |
買い替えるなら、3年保証の国内メーカーで、スーパーキャパシタを使い、高耐久のmicroSDカードが付属する機種を選ぶと、同じ失敗を繰り返しません。
寿命は本体2〜5年、SDカード1年。月1回の再生で確かめる
ドライブレコーダーの寿命は、本体が2〜5年、microSDカードが1〜2年、内蔵電池が2〜4年で、先に切れるのはSDカードです。原因は夏の熱と上書きの書き込み回数で、月1回のフォーマットと再生確認、年1回の高耐久カード交換、夏のサンシェードで寿命は伸び、3年を過ぎたら症状が出る前に買い替えを考えるのが整備士の答えです。
次に車に乗ったとき、1分だけ映像を再生してみてください。それが、いざというときに映像が残っているかを分ける一番の手入れです。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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