レコーディング中にクリック音が漏れてマイクに入ってしまった経験、DTMをやっている人なら一度はあるはずです。 密閉型モニターヘッドホンは外への音漏れを防ぎつつ、原音に忠実なモニタリングができる録音現場の必需品です。
レコーディングで密閉型が必要になる場面
密閉型モニターヘッドホンは、イヤーカップが隙間なく閉じた構造で外部への音漏れを防ぎます。 ボーカル録りやアコギ録りのとき、ヘッドホンから漏れた音がマイクに入るとテイクが使い物にならなくなるので、密閉型は必須です。

開放型と違って外の音が入りにくいので、自宅の生活音が気になる環境でも集中しやすいです。 ただ、長時間つけていると耳が蒸れるのは覚悟してください。
密閉型モニターヘッドホンのおすすめ5選
第1位:ゼンハイザー HD 200 PRO 密閉型モニターヘッドホン

ゼンハイザーのプロ向けエントリーモデルで、1万円前後という手の出しやすい価格が嬉しいです。 装着感が軽くて側圧も控えめなので、長時間のレコーディングでも頭が痛くなりにくいです。
音はフラット寄りで、変な色付けがなく素直に聞こえます。 低域の締まりが良くて、キックやベースのアタック感がしっかり確認できます。
ただ、ケーブルが片出しではなく両出し(本体の左右からケーブルが出る)タイプなので、取り回しは少し面倒です。 机の上でケーブルが絡まりやすいのが惜しいところです。
ゼンハイザー HD 200 PRO 密閉型モニターヘッドホン
1万円前後で買えるゼンハイザーのプロ入門機!
第2位:オーディオテクニカ ATH-M50x プロフェッショナルモニターヘッドホン

世界中のスタジオで使われている密閉型モニターヘッドホンの大定番です。 もうこれでいいじゃん。悩む必要ゼロ!! と言いたくなるくらい、迷ったらコレという安定感があります。
イヤーカップが90度回転するので、片耳モニタリングがしやすいのもDJや配信者に人気の理由です。 ケーブルが着脱式で、ストレートケーブルとカールコードの2種類が付属しているのも地味にありがたいです。
正直、音のフラットさでは上位機種のATH-R70xに譲りますが、密閉型としての遮音性と使い勝手の良さは文句なしです。

M50xは外出先での音楽鑑賞にも使えるくらい遮音性が高いので、DTM以外でも活躍の場面が多いです。 1台で何役もこなせるのは経済的にも助かります。
オーディオテクニカ ATH-M50x プロフェッショナルモニターヘッドホン
世界の定番モニターヘッドホン!
第3位:beyerdynamic DT 770 PRO X 48Ω 密閉型モニターヘッドホン

ドイツのbeyerdynamic(ベイヤーダイナミック)が作る密閉型モニターの最新版です。 48Ωという低めのインピーダンスで、スマホやノートPCからでもしっかり音量が取れます。
ベロア素材のイヤーパッドが肌触り良くて、夏場でも蒸れにくいのが密閉型としては珍しいです。 音の解像度が高く、リバーブの尾っぽや微妙なノイズまで聞き取れるので、ミキシングでも十分使えます。
ただ、3万円台という価格は密閉型としては高めで、ATH-M50xの倍くらいします。 この差額分の価値を感じられるかは、正直言って人によります。
beyerdynamic DT 770 PRO X 48Ω 密閉型モニターヘッドホン
低インピーダンスで鳴らしやすいドイツ製!
第4位:SHURE SRH840A-A 密閉型スタジオヘッドホン

SHUREといえばマイクのイメージが強いですが、ヘッドホンもプロの現場で評価が高いです。 SRH840Aは前モデルから装着感を大幅に改善したリニューアルモデルで、ヘッドバンドのクッションが厚くなっています。
音はかなりフラットで、モニターヘッドホンらしい正確さがあります。 中域の解像度が特に高くて、ボーカルの細かいニュアンスが聞き取りやすいです。
ぶっちゃけ、見た目はちょっと地味で「THE業務用」という感じです。 でも音を聴けば納得できる実力派なので、見た目で判断しないでほしいモデルです。
マイクメーカーSHUREの実力派モニター!
第5位:SONY MDR-CD900ST 密閉型スタジオモニターヘッドホン

日本のレコーディングスタジオで最も多く見かけるヘッドホンです。 1989年発売から30年以上現役という、まさにレジェンド的な存在です。
中高域の解像度が非常に高く、ボーカルのピッチのズレや息遣いの細部までハッキリ聞こえます。 プロのレコーディングエンジニアが「粗探し用」として使うことも多いモデルです。
ただ、低域は控えめなのでEDMやヒップホップのミックスには不向きです。 装着感も現代のモデルに比べると硬めで、イヤーパッドが薄いため長時間は疲れやすいです。 それでも、日本の音楽制作現場では「とりあえずCD900STで確認」という文化が根付いています。

CD900STは「業界標準だから持っておく」という理由で買う人も多いです。 個人的にはATH-M50xの方が使いやすいと思いますが、スタジオに持ち込むならCD900STの方が話が早いこともあります。
SONY MDR-CD900ST 密閉型スタジオモニターヘッドホン
日本のスタジオ定番、30年以上の実績!
密閉型モニターヘッドホンを快適に使うためのコツ
密閉型は構造上どうしても蒸れやすいので、長時間の作業では30分に1回くらいヘッドホンを外して耳を休ませるのがおすすめです。
音量は「長時間聴いても疲れないレベル」に抑えるのが鉄則です。 爆音でモニタリングすると耳が疲れて正確な判断ができなくなるので、控えめな音量で聴く習慣をつけてください。
密閉型と開放型、どう使い分ける?
予算が限られている場合は、まず密閉型を1台買っておけば録音もミキシングもこなせます。 ミキシングの精度をもっと上げたくなったら、2台目に開放型を追加するのがスムーズな流れです。

最初の1台で迷っているならATH-M50xかHD 200 PROがコスパの面でも安心です。 どちらもリケーブル対応なので長く使えますよ。
●筆者:福田 光男音楽機器やオーディオ製品を得意とするプロライター。 今回はヘッドホン専門店スタッフやスタジオエンジニアへの取材をもとに、密閉型モニターヘッドホンを比較しました。 正確な情報を分かりやすく届けることを心がけています。


